「森林セラピー」とは、科学的根拠に裏付けられた森林浴効果のことをいいます。
心身ともにリフレッシュした気分が味わえる森林浴の効能は、以前から知られていましたが、それはあくまで感覚的なものであり数値など目に見える形でその効果を示すことは困難でした。
しかし、近年の研究で、人が森林浴を行う前と後で取ったデータを比較したところ、
といった結果が得られ、森林浴を行うことで心と体がリラックスした状態になり人体の免疫力が高まることが科学的に実証されてきました。
このような森林が持つ力を利用し、訪れる人の心身の健康増進や病気の予防に積極的に役立てて行こうというのが森林セラピーです。
(山北町の山々)
「森林セラピー基地」とは、リラックス効果が森林医学の面から専門家に実証され、さらに関連施設等の自然・社会条件が一定の水準で整備されている地域のことです。
より快適に森林セラピーを体験できる「整備された森林環境」と、検証に基づく「生理・心理的効果」がともに認められる場合に、森林セラピー基地の認定を受けることができます。
また、「セラピーロード」とは、フィールド実験に基づき専門家によって効果が検証された散策路を指します。一般の歩道よりも道幅を広く取り、歩き易さを考慮する等の配慮がされたコースを中心に選定されています。
山北町では、町域の9割を占める森林資源を活用し、町民や来訪者の健康増進と疾病の予防、地域振興を目指した取り組みとして、平成18年度から「森林ふれあい・健康セラピー事業」を進めています。
具体的な内容としては、平成19年3月に「森林ふれあい・健康セラピーフォーラム」を開催し、NPO法人の活動事例の紹介や、ノルディックウォーキング等の体験を行いました。平成19年度には、学識経験者、地元関係団体、NPO法人、関係行政団体等をメンバーとする研究会を設置し、2年間をかけて山北町での森林セラピー実現に向けた調査・研究を重ねてきました。
以上の結果を受けて、平成22年1月に森林セラピー基地認定の申請を行い、平成22年8月にその認定取得のための、専門家によるセラピー効果の測定(生理・化学実験)が町内で実施されました。
(生理・化学実験の様子)
そして、平成23年3月の審査委員会及び森林セラピー・ステアリングコミッティにおいて、厳正な審査の結果山北町は「森林セラピー基地」として認定されました。
今回の認定で、全国の森林セラピー基地・セラピーロードは44箇所になり、山北町は厚木市に次いで神奈川県2番目の森林セラピー基地となりました。
今後は、山北町健康福祉センターを基地の拠点と位置付け、当面は河村城跡を周回するセラピーロードで森林セラピー体験等を実施していく予定です。