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世附の百万遍念仏

[2024年1月22日]

ID:573

令和5年度「世附の百万遍念仏」開催のお知らせ

 令和5年度「世附の百万遍念仏」が4年ぶりに開催されますのでお知らせします。

【日時】令和6年2月17日(土)~18日(日)

【場所】能安寺(足柄上郡山北町向原2499)

【スケジュール】

〇令和6年2月17日(土)

 ・午後1時~午後2時:数珠回し

 ・午後2時~午後3時30分:獅子舞、遊び神楽

〇令和6年2月18日(日)

 ・10時~12時:数珠回し

 ・午後1時~午後2時:数珠回し 

 ・午後2時~午後3時30分:獅子舞、遊び神楽

 ・午後3時30分~午後4時:カガリ


県指定無形民俗文化財「世附の百万遍念仏(よづくのひゃくまんべんねんぶつ)」

 県指定無形民俗文化財「世附の百万遍念仏(よづくのひゃくまんべんねんぶつ)」は約600年前から行われていたと伝承されている念仏信仰で、毎年2月15日から17日まで山北町世附の能安寺で行われていましたが、三保ダムの建設に伴い、現在では山北町向原に移転された能安寺で毎年2月中旬の土曜日・日曜日に行われています。

 

 

百万遍念仏といえば善男善女が寺院の本堂に円座して中央に導師を迎え大数珠を繰りながら念仏を唱える京都知恩寺型百万遍念仏を指しますが、世附の百万遍念仏は大数珠を巨大な滑車に取り付け、数珠を回転させる全国的にも珍しい行法です。

数珠回し写真

≪数珠回し≫

 大数珠は地元で「水桃木(すいとうぼく)」と呼ばれるサルナシやフジで作られ、長さ9メートル、数珠の数は302個を数えます。滑車は梯子のような枠にかけ、その側に大太鼓を並べます。また小机を据えて算木を置き、数取りと称する古老が数珠の回転数を数え、それを取り囲むように念仏衆が念仏を唱えます。

 念仏芸として注目されるのは、念仏声に平音(ひらね)、中音(ちゅうね)、高音(たかね)の三音階があり、指揮者が白の指揮棒を差し出すと平音、色紙幣は中音、白幣は高音で念仏が唱えられます。

 念仏が終わると獅子舞が始まります。これは19世紀はじめ頃に甲州あるいは伊豆方面から伝わったものと考えられており、百万遍念仏に付属したものではなく、いつからか同時に行われるようになったものだと考えられます。獅子舞は、「姫の舞」、「幣の舞」、「狂いの舞」、「剣の舞」があり、遊び神楽に、「二上がりの舞」、「おかめの舞」、「鳥さしの舞」があります。

剣の舞写真

≪剣の舞≫獅子1人が剣と鈴を持って舞います。道場を浄めるために舞うといわれています。

幣の舞写真

≪幣の舞≫獅子1人が幣と鈴を持って舞います。悪魔祓いをして世を浄める舞といわれています。

狂いの舞写真

≪狂いの舞≫獅子に二人が入り舞います。神が自ら悪魔(獅子)に変じて、悪魔を引き寄せ、これを全部退散させる舞といわれています。

二上がりの舞写真

≪二上がりの舞≫「ヒョットコメン」を付けて舞います。天の岩戸開きの時の舞で、世の中を和やかにする舞といわれています。

おかめの舞写真

≪おかめの舞≫「おかめ」に扮して舞います。「二上がりの舞」と同じく世の中を和やかにする舞といわれています。

姫の舞写真

≪姫の舞≫獅子に二人が入り舞います。「カザリハ」ともいわれ、諸事の霊を慰める舞といわれています。

鳥さしの舞写真

≪鳥さしの舞≫曽我兄弟が鳥さしに身を変じ、親の敵を討つまでの苦心を物語る舞といわれています。

 最終日の最後は「カガリ」と呼ばれる融通念仏が行われます。道場の中央に置かれた太鼓を囲み念仏を唱えます。 

 道場の天井には山から刈り取ってきたスゲ草で縄を作り、赤・白・青・黄・黒の5色の小さい幣を吊り下げ、しめ飾りを天井いっぱいにはります。融通念仏が終わるとこのしめ飾りを取り、家の戸口にかけると厄病除けになるといわれています。

念仏写真

 戦前は百万遍念仏の翌日に獅子舞が幣束を持って、世附地域の全戸をお祓いをしながら周り、最後に幣束を永歳橋から流す「悪魔祓い」を行っていました。

 現在は向原の能安寺で念仏が行われているため、悪魔祓いは念仏の翌週に世附地域出身者の家々をまわり、幣束は大口橋から流されます。

交通案内

路線
JR御殿場線「東山北駅」下車 徒歩5分
小田急線「新松田駅」下車 富士急バス「向原バス停」下車 徒歩3分

お問い合わせ

山北町役場生涯学習課生涯学習スポーツ班

電話: 0465-75-3649

ファックス: 0465-75-3661

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