山北鉄道公園に静態保存されている蒸気機関車D52-70号機を自力で動くよう整備をします。
運転はボイラー復元による石炭燃焼ではなく、大型コンプレッサーを2基搭載して、圧縮空気を動力源とします。
運転距離は公園内の現行軌道を12m延長して、動輪2回転分です。
スケジュール:平成27年12月着工
平成28年3月末動態化完了
平成28年秋一般公開開始(予定)
動態化工事に伴い、D52はしばらくシートで覆われています。
シートの中では、作業が着々と進んでいます。
加減弁の修繕を開始しました。
平成28年1月19日、東雄技研(株)菊地会長より、
D52奇跡の復活のための貴重な部品の譲与と、資金の寄付をしていただきました。
平成28年1月21日、動力となる圧縮空気を作りだす大型コンプレッサー2基が、炭水車に設置されました。
平成28年1月26日、ブレーキ脚台の取り外しと、自動ブレーキ弁と単独ブレーキ弁の分解清掃が行われました。
平成28年1月27日、ブレーキ脚台の減圧弁と給気弁の分解整備が行われました。
動態化の作業も着々と進んでいます。(整備作業の様子)
平成28年2月4日(木)、D52蒸気機関車先頭部の煙室扉を開きました。
これは、長年閉鎖したままになっていた煙室内部の状態を確認するための作業です。
平成28年2月18日(木)、空気弁に溜まったほこり等を除去するため、空気弁から空気を吹き出す作業を行いました。
平成28年3月11日、レバーブロックを利用し、人力で約96tの車体を40cm弱後ろへ動かしました。
長年静態保存されていたため、車輪が固着しており、それを取り除くための大事な作業です。
動かす前の状態
動かした後の状態
平成28年3月18日(金)、約100名ほどの人々が見守る中、圧縮空気による試運転及び汽笛吹鳴試験を行いました。
動輪2回転前に進みました。
今回のD52奇跡の復活事業で延長される軌道は12mと僅かな距離です。
しかし、最新技術の高性能軌道を導入することで、鉄道のまち山北としてこだわりをもっています。
この前に12mの軌道を
D52の走行するレールの「まくらぎ」について、従来のハシゴ型の「横まくらぎ」方式にかえて、今後の車輌メンテナンスのしやすさと、機関車走行による軌道変形が発生しないよう、メンテナンスフリー型の「縦まくらぎ」方式の「鉄道総研式フローティングラダー軌道」を採用します。
本線と同様のクオリティで建設し、D52の大きな軌重を安定して支えるとともに、中央の開口部を床下整備の空間として活用する初の試みも導入します。
山北町は古いSL技術と最新のテクノロジーの軌道技術を融合させて奇跡のプロジェクトを実現します。
通常の車庫などの検修設備の「ピット線」は最徐行で走行しなくてはならなく、強度も本線とは違います。安全面も考えラダー軌道とすることで、重い機関車の走行にも耐えられる配慮をしました。
敷設されたレールとラダーまくらぎ。
整備されたピット内の様子。ラダーまくらぎの下には防振装置が設置され、強度や安全性が強化されています。
平成28年1月27日、レール敷設に向けて砕石とコンクリートを流すための掘削作業が行われました。
平成28年2月10日、レールを敷設するために掘削した場所にコンクリートが流し込まれました。
平成28年2月26日、レールが敷設されました。
平成28年3月15日、レール周りの整備が終わりました。
山北町役場商工観光課商工観光班
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