般若院の本尊。右手に宝剣、左手に経巻を執る通形の文殊菩薩像です。構造は、頭体幹部を前後剥ぎとし、割首、両体側材、脚部材などを剥ぎつけています。
この像は、量感のある全体形を持ち、やや箱型の体形や大きな衣文のさばきなど、その造形に室町時代の名残を感じさせます。彫技は丁寧で背中や膝の起伏、穏やかに整った面相など、神経の行き届いた表現を見せています。
体内に納入銘札(のうにゅうめいさつ)があり、この内容から寛文7年(1667)、般若院一代法印宥傳(ほういんゆうでん)が鎌倉の仏師、式部に制作させた像と考えられ、江戸時代前期における鎌倉仏師の堅実な作風を伝える好例です。また、本像は般若院が江戸期に入り再興されたときの像であり、史料的価値も高く評価されます。
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