懸仏とは、鏡面に神像や仏像を取りつけ、あるいは線刻などで表現し信仰の対象としたものです。神仏習合の信仰により生まれたとされ、鎌倉・室町時代にかけて盛んにつくられました。
本品は、細い覆輪をめぐらせた鋳銅製の鏡面中央に、鏡板と一鋳された像があります。像の頭部の被り物は、十一面観音を表現したものと思われます。また、頭上にはキリーク(阿弥陀)の種字(しゅじ)が陰刻されています。これらは、日吉(ひえ)神社(山王社)の上七社の本地仏から二尊を選んだものと思われます。
鏡面には制作の年記や願主などが陰刻され、地域の歴史を知る上で貴重な資料といえます。
*覆輪・・甲冑(かっちゅう)・鞍・太刀・調度などを金・銀・すずなどで縁取りし、飾りや補強としたもの。
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