山北町皆瀬川の人遠地区に産出する石灰岩は第三紀中新世の下層部に特徴的に産する示準化石であるネフロレピディナが比較的によく保存され含有しています。
ネフロレピディナは暖海性の堆積物中に限られていることから、これを含む石灰岩は丹沢山地の緑色凝灰岩(グリーン・タフ)の堆積時期や堆積環境を知るための重要な資料です。
人遠の石灰岩は、河岸に沿って露出しており、一部断層によって切られていますが、厚さ約8メートルの薄層として緑色凝灰岩中に挟まれており、産状の明らかな点で丹沢産のこの石灰岩中最も代表的なものです。含有するネフロレピディナも肉眼で凸レンズ状の縦断面(長さ約3ミリメートル、中心部の厚さ約1~2ミリメートル)を観察することができます。
*示準化石・・地層の対比や地質年代決定に役立つ化石。生存期間が短く、地理的に分布範囲が広いものが用いられる。古生代のフズリナ、中生代のアンモナイトなど。
*緑色凝灰岩(グリーン・タフ)・・新第三紀の前半の火山活動で形成された火山岩や火山砕屑岩(さいせつがん)が、変質して緑色を呈するもの。
※指定地内で許可無く岩石・鉱物を採取すると県文化財保護条例により罰せられます。
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