この地域のホルンフェルスで特徴的なのは、ザレの沢の支流コージロ沢付近の菫青石(きんせいせき)岩です。鉄とマグネシウムの交代作用の結果生じたもので緑黒色または暗灰色の緻密なホルンフェルス中に、暗青色の菫青石が透入三連晶を成す変状斑晶として無数に生じ、風化面ではそれがいぼ状に突出していることから、「いぼ石」とも呼ばれます。
*凝灰岩(ぎょうかいがん)・・堆積岩(たいせきがん)のひとつ。直径4ミリ以下の火山灰が固まってできた岩石。もろいが加工しやすく、建築・土木用石材とする。
*ホルンフェルス・・変成岩のひとつ。泥岩・粘板岩などが接触変成作用を受けてできる、暗黒色で硬く緻密な岩石。
*接触変成作用・・岩石中にマグマが貫入すると、接触部の温度が上昇し、鉱物組織や岩石の組織が変わること。
*菫青石・・鉄、マグネシウムアルミニウムを含むケイ酸塩鉱物。無色・菫(すみれ)色・淡青色でガラス光沢がある。変成岩中に多い。
菫青石(きんせいせき)
菫青石(きんせいせき)拡大写真
大理石は県内で唯一のもので、4つの層順にわたり計5枚認められます。主に方解石の集合から成る白色のものと、方解石のほか角閃石、カミングトン角閃石、普通輝石などを混じえた緑色のものとに区別されます。ベスブ石はこれらの大理石の内、白石の滝付近の白色大理石中にスカルン鉱物として産出するもので、透輝石、モンチチエリ石などと共産します。
*スカルン鉱物・・スカルンとは、石灰岩や苦灰岩などの炭酸塩岩中に花崗岩などのマグマが貫入してきた際、その接触部付近にできる鉱物の集合体(変成岩)。カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウムなどに富むケイ酸塩鉱物であるスカルン鉱物ができる。
ベスブ石
ベスブ石露頭
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