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木造聖観音菩薩坐像(もくぞうしょうかんのんぼさつざぞう)

[2021年2月10日]

ID:952

町指定 重要文化財   平成16年11月25日指定

福昌寺の本尊。納衣を着け、左手に蓮華を執り右手を膝上でひらいて座す観音像です。小像ですが、やや箱形につくる体躯と猫背の側面観、大ぶりの衣文、穏やかで多少人間くさい面相など、特徴ある表現が各所にみられ、室町時代の丁寧な作風は、南北朝から室町期にかけて活躍した、院派(いんぱ)仏師の系統を思わせます。

現状では残念ながら、後世の補修が入っており、当初の姿は相当損なわれていますが、穏やかで生彩に満ちた面貌や院派系の衣文表現などは健在であり、室町前期15世紀初頭の造像であることをよく示しています。

町内の本格的な中世彫刻として貴重です。

*院派・・平安後期から鎌倉時代にかけて、京都に造仏所を置いていた仏師の一派。院助・院覚など名が「院」で始まる仏師が多かったため、後世名づけたもの。

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