登頂に仏面を戴き、その下に十一面を一段にめぐらしています。像本体のすべてを一鋳(いっちゅう)し、背面上下2箇所に光背留(こうはいどめ)の突起を鋳出しています。
寸胴な体形をもち、両腕は短く、頭部は大きめで面相は丸く、童顔に見える目鼻立ちは大きく作られています。彫刻としての造形感覚はおおらかで、生気を帯びた面相部や、のびやかな衣文表現は中世作独特なものであり、また随所にみる力強い造形力から、室町時代前期、15世紀半ばの制作と考えられます。
中世の金銅仏(こんどうぶつ)は、県内にかなりの数が残されていますが、像種として十一面観音の立像は意外と少なく、町内に遺る唯一の中世金銅仏としても大変重要です。
*光背・・仏身から発する光明をかたどった、仏像の背後にある飾り。
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