この絵巻は、いわゆる箱根三所権現として知られる箱根権現、伊豆二所権現である伊豆山権現・三島大明神それぞれの神の由来を記したもので、上下2巻(上巻24紙、下巻27紙)からなっており、ほぼ完全な状態で伝存されています。
国指定重要文化財である箱根神社所蔵の同絵巻(14世紀前半成立)が、前半部分を欠いているのに対し、本絵巻は上下巻ともほぼ完全な形で現存している点、下巻奥書には「天正十年」(1582)とあり、絵巻作成年代の下限が特定でき、作風が奥書と一致する点、絵巻下巻には、「大磯」「箱根」「走湯山(そうとうさん)(熱海)」「三嶋」などの描写が見られ、中世後期の実景をある程度反映する資料である点などが重要であるとの評価を受けています。また、下巻奥書には「相州小田原新宿 荻野玉月斎書 政家(花押) 持主清陽坊」とあることから、小田原新宿の荻野玉月斎が製作し、修験者と思われる清陽坊が当初所持したことが判明していることも、資料を重要なものにしています。
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